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2019年4月23日 (火)

西村玲さんの記事に関してご意見有難うございました

この度の朝日新聞の記事に対しては非常に大きな反響があり、また、私の抗議文に対しても、コメントやTwitterで様々なご意見を頂き、有難うございました。本当は書くことのできないもう少し複雑な事情もありますので、単純化したきれいごとのストーリーにまとめて、彼女を悲劇のヒロインに仕立てることには、私は反対でした。ただ、こういう形で問題が提起され、若い研究者の就職や研究のあり方に議論が絞られるとすれば、それはそれで、私の身近にも実際にそのような研究者が多くいますので、それを現実としてあきらめて受け入れるのでなく、何か突破できる道があるのであれば、考えていかなければなりません。それが彼女に対して多少なりとも応える道でしょう。近く小宮山記者とも会いまして、積極的な対応の道を一緒に考えたいと思っています。今回の一回の記事で終わりでなく、長期的な目で考えていかなければなりません。どうぞ皆さまにもこれで終わりでなく、関心を持ち続けてください。必要に応じて私のほうでもまた発信します。

ちょうど彼女の最後の仕事である井筒俊彦『東洋哲学の構造――エラノス会議講演集』の翻訳が出ました。彼女の専門であった近世仏教思想に関しても、これから研究を深めていかなければなりません。

なお、いただいたご意見に対して、多少コメント的なことを付させていただきます。

九州大学での火事の記事、教えていただきましたが、悲惨な事件は過去にもありました。1987年に広島大学で、助教授に昇進できなかった助手が学部長を逆恨みして殺人に及んだ事件でした。Wikipediaに広島大学学部長殺人事件として出ていますので、ご覧ください。

それから海外の例ですが、ドイツにも同じような問題があります。私の知っている範囲でも、助教までしながら、その後定職が得られなかったり、研究と無関係の仕事に就いた方を複数知っています。アメリカの場合は、大学の数が多いので、他に較べれば、大学への就職の門戸はかなり広いようです。それでも、就職できない方もいます。それと、アメリカでは、たいていは任期付きの助教授で採用され、その後テニュアの准教授に昇進するという2段階になるために、後者の段階で落とされる可能性があります。実際にそのような例を知っています。ただ、その方は他のやや条件の悪い大学に移ることができたので、全く放り出されたわけでもありませんでした。

 

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コメント

皆さまから貴重なご意見を頂き、有難うございます。当初、西村玲さん個人の問題として捉えていましたので、新聞記事に非常な違和感を持ちましたが、確かにそれを離れれば、私自身、若い人たちの就職難の現場にずっといて、ずっとそれを心配してきていました。ただ、それを表立って取り上げる問題とは考えてきていませんでしたが、現役を去った今、少しそれをまとめて考えてみる必要があるかと感じています。少しお時間をください。

抗議は撤回しないの?

ご質問いただきながら、ご返事が遅くなりました。抗議と言っても、訂正や補足ですので、撤回する必要はないでしょう。記事を読んだ方が、このブログも一緒に読んで頂ければと存じます。

亡くなった方々には差し上げるお時間は少しもないと思いました。

投稿者さん個人を責めるつもりはありませんが、多くの方に当てはまる問題です。
今後、具体的な行動を起こされるのであれば良いと思いますが、問題を確認する(把握していると示す)程度なら何もされない方が傷つける人は少なくて済むような気がいたします。

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